一家を守るために男は何をすべきか ドン竹中正久の202日

昭和60年(1985年)、サンデー毎日特別取材班と正延哲士氏による襲名直後の竹中正久と執行部へのインタビューを二部構成した本で、中古価格も3倍の値が付いている。

竹中正久と執行部への直接インタビューから構成されており、インタビュー部分は一問一答形式で書かれてあり、竹中正久の言葉使いにも生々しさがある。特にサンデー毎日特別取材班は社会部記者なのか、一般的な目線からの質問を率直に竹中にぶつけている。それに対する竹中の戸惑いや受け答えも人間味にあふれ、リアルである。誰も質問しないであろうヤマヒロについても質問し回答を得ている。書物として唯一竹中正久への直接インタビューに成功した割には、あまり部数も出回っておらず、希少価値も高い。竹中と同時に中山勝正や宅見勝へも同時に取材をしている。取材当時はまだ全面戦争へと突入する前の段階で、山一抗争を新大阪戦争と文中では表現している。

本書が出版されたのは竹中の暗殺後という事もあり、暗殺の実行犯4人についてもそれぞれの人物像を経歴から襲撃の日までを細かく追っている部分も貴重である。また田岡文子がヤマヒロを四代目に就けることを竹中に相談するエピソードは、裏話としても意外であり、竹中以外の口から語られるはずのない逸話である。