前項までで盃関係や組織構成、執行部について説明しましたが、山口組がなぜピラミッド型といわれるのかをここから説明します。
前項までは組長を頂点とした一つの組織、つまり三角形の組織図について説明しました。
六代目山口組で言うとAに当たるのが司忍組長です。Kの相談役はいませんが、顧問のJは石田章六です。B~Gに当たる若中は約70人ほどいて、若頭は髙山清司、統括委員長に橋本弘文、本部長には大原宏延がいます。舎弟は7~8人いて舎弟頭は入江禎が就いています。これら司組長から直接盃を下ろされた者らを司組長の直参と言います。六代目山口組本家の直系です。この総勢約80人までの三角形を一次団体と言います。つまり司組長は一次団体の組長で、石田章六、髙山清司、橋本弘文、大原宏延、入江禎らは一次団体の構成員、組員という事になります。
そして石田章六、髙山清司、橋本弘文、大原宏延、入江禎らはそれぞれ独自の組を率いる組長でもあります。
一次団体
山口組本家の組織図の一部分が以下になります。
顧問の石田章六は章友会、舎弟頭の入江禎は二代目宅見組、舎弟の正木年男は正木組、そして若中それぞれも組を率いています。例えば一次団体で統括委員長の橋本弘文は、極心連合会を率いる親分という事になります。つまり一次団体の組員であり、二次団体の組長(会長)という事になります。ただ、一次団体は組長の集まりなので、橋本の親分と呼ばれる事はあっても、組員の橋本と表現される事はまずありません。だから司組長から直盃を下ろされていると言う事は、自ら組を率いる組長という立場でもあります。
二次団体
そしてここから橋本会長を頂点にした極心連合会の三角形が出来上がります。
上図が二次団体、極心連合会の組織図の一部になります。
それぞれが橋本会長から直盃を下ろされた橋本弘文の直参で、二次団体極心連合会の構成員となります。彼らにとっての本部は極心連合会の本部事務所の事になります。極心連合会内部にも執行部が構成され、一次団体である山口組本家に準じた構成になります。また山口組本家にはない相談役のポストがあり是木組々長・是木君夫が就いています。極心連合会の若頭は浅野俊雄で二次団体幹部という立場ですが、自らは三次団体組長(会長)として極闘会を率いています。
極心連合会が数団体、数十団体と三次団体を抱えるのと同じく、他の直系組織も三次団体を抱えています。山口組には直系組織が約80団体あるので、山口組系の三次団体は全国に数百団体~千団体はあるものと思われます。それぞれ上部団体を指し、大原組系、健心会系、などと呼ばれます。
それぞれの立ち位置
橋本弘文のヤクザとしての位置付けは、
六代目山口組・統括委員長
極心連合会々長・橋本弘文
となります。
浅野俊雄のヤクザとしての位置付けは、
六代目山口組
極心連合会・若頭
極闘会々長・浅野俊雄
となります。
浅野俊雄の若衆であればヤクザとしての位置付けは、
六代目山口組
極心連合会
極闘会・若中
○○××
という事になります。
そして三次団体極闘会の中にも執行部があり極闘会の若頭は三次団体幹部という立場で、若衆がいれば四次団体組長となります。
例に上げた章友会、二代目宅見組、正木組、他の二次団体も極心連合会と同じように組織され、三次団体を抱え、四次団体へと裾野を広げています。ようは山口組系に所属する者は、どこかで誰かの盃を受けて、巨大なピラミッドの一部に組み込まれていると言う事です。親分を持たないのは本家のトップ、司組長だけです。
例に上げた浅野俊雄は、極心連合会の若頭で極闘会の親分です。山口組を全国的に見ても神戸の本家執行部にいる極心のカシラですから、ヤクザとしていい位置にいると言えます。それでも浅野俊雄の親は橋本弘文で、橋本の子という立場に変わりはありません。