仁義なき戦い

今さら説明の必要がない程のヤクザ映画の名作。
戦後の広島で実際にあった広島抗争を元に、飯干晃一が書いた小説を東映が1973年に映画化した作品。小説に仕上げた飯干晃一がベースにしたのは、当事者として広島抗争に関わった美能幸三が、服役中に網走刑務所の獄中で7年かけて書き上げた700枚の手記だった。

手記を書くきっかけは、美能が獄中で中国新聞報道部記者が書いた記事を読み、ケンカの張本人が自分と決めつけられた上、身に覚えのない事まで書かれて、読むと10日間メシが食えない程腹が立ったという。そういう美能が汚名返上の執念にかられて書き上げた手記が、廻りまわって飯干晃一の手に渡った事で世に出る事となった。

ヤクザ映画としても名作中の名作だが、出ている役者もその後の日本を代表する超豪華メンバーで、単なるヤクザ映画というだけでなく、この時代の映画としても日本を代表する名作と言える。派手なドンパチもこの映画の見所だが、ヤクザを美化した作品ではなくヤクザの汚さや残酷さ、人間関係の奥深さや社会の利害関係など見る者それぞれを深く考えさせる映画である。

現在の視点で見ると、共政会の過去から現在への成り立ちを描く一種の歴史映画という事になるが、山口組や本多会の介入で知られる代理戦争なども取り上げられており、広島からの目線で見るその関係性も興味深い。

以下の全五部作が製作された。

仁義なき戦い(1973年)

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年)

仁義なき戦い 代理戦争(1973年)

仁義なき戦い 頂上作戦(1974年)

仁義なき戦い 完結篇(1974年)

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