ヤクザの住む住居

兵庫県西宮市の市営住宅に山口組系の組員が入居していたところ、条例に基づいて市が明け渡しを求めていた問題が、このほど最高裁で判断が下された。
最高裁の判断は「組員は自らの意思で暴力団を脱退できるし、条例は市営住宅以外についてまで居住を制限していない」とするが、一般的な賃貸住宅の契約書にも現役ヤクザは住めない事が盛り込まれている。

結局ヤクザは持ち家として家を買うしかなく、賃貸に住むのなら事実上ヤクザである事を隠して入居するしかないのである。ヤクザである事が後から判明すれば貸している側は、契約書をたてに追い出す事が可能である事を、この度の最高裁判断が保証したわけである。

国策としてヤクザの住居を厳しく制限し追い立てているが、最高裁も合憲と判断しているのでこれについての対抗手段はほぼない。

ヤクザであるという事だけで、住居という人としての基本的な生活基盤すらこの国では維持できない。ヤクザを辞めない人間は国民として認められないという事である。この風潮はこれからももっと加速していくように思われる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27HFG_X20C15A3CR8000/